定年退職後に受給できる雇用保険からの給付についてご紹介します。
★ポイント
退職時の年齢によって雇用保険から受給できる手当の内容が異なります。
パターン① 65歳未満で定年退職した場合(65歳の誕生日の前々日まで)
65歳未満で退職した場合、要件を満たすと「基本手当」が受給できます。
世間では、失業手当と呼ばれることが多い「基本手当」は、原則として離職前(定年前)6ケ月の賃金を平均した1日分の賃金の45%~80%が支給されます。(ただし基本手当の日額には上限・下限金額の設定があります)
何日分の基本手当が受給できるかは、退職者が雇用保険に加入していた期間や離職理由によって決まります。
定年退職の場合は、自己都合退職と同じ所定給付日数となります。
| 被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
| 給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
定年は会社都合のようにも感じますが、退職日はあらかじめ就業規則等で決められているので、転職の準備などが計画的にできるはずだと考えられ、給付日数は会社都合の場合よりも少なくなっています。
しかし、定年で退職した場合には自己都合退職とは異なり、2カ月間(令和2年10月1日の退職以降)の給付制限はなく、待機期間7日の経過後、基本手当を受給することができます。
★アドバイス
特別支給の老齢厚生年金などの“65歳になるまでの老齢年金”と雇用保険の失業給付は同時には受けられませんので、どちらかを選択することになります。
パターン② 65歳以上で退職した場合
65歳以上で退職した場合、要件を満たすと一時金で「高年齢求職者給付金」が受給できます。
受給額は雇用保険に加入していた期間によって決まります。離職理由による給付日数の違いはありませんが、自己都合退職等の場合は、待機期間7日の経過後に、2カ月の給付制限がかかります。
| 被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上 |
| 給付日数 | 30日 | 50日 |
★アドバイス
高年齢求職者給付金を受給しても、65歳未満の老齢年金と異なり、老齢年金はそのまま受給でき、減額されません。
パターン③ 定年再雇用で、契約期間満了で退職した場合
定年後の雇用継続では、通常は、1年毎の契約を更新することで再雇用されます。この雇用継続において契約満了時に退職する場合には、契約更新の意思があり・なしに関わらず、2カ月(令和2年10月1日以降)の給付制限はかからず、定年退職と同様になります
★アドバイス
60歳で第一定年、70歳で第二定年を定めていた場合等、第二定年での退職についても、2カ月(令和2年10月1日以降)の給付制限はかかりません。
★最後に
退職時の年齢によって、雇用保険の給付日数が異なりますので、65歳前後では受給できる手当に3倍以上の差が出ることがあります。
65歳未満で退職すると、65歳以上で退職するよりも、雇用保険の給付については有利な内容となります。ただ、年金の受給や勤続年数に対する退職金などについても該当する方は、よく検討されることが望ましいです。
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