相続や親族関係で、重要になってくる戸籍について、 あまり考えたことがない方も多いと思います。そこで、今回は、普段から耳にする戸籍について、どういったものなのか、法務専門家である行政書士が解説いたします。
離婚後の夫婦の戸籍・姓
(例) 夫の姓:田中 妻の姓:鈴木 でどのようになるか確認しましょう。
戸籍・姓に関する手続き
さてこれまでは夫、妻、子供の戸籍・姓の組み合わせについて詳しく説明してきました。これから先は、戸籍・姓に関する手続きについて紹介していきます。
〇 夫に関する手続き
夫が戸籍の筆頭者である場合には、夫に関する手続きは離婚届のみです。
〇 妻に関する手続き
妻に関する手続きについては、少しだけ複雑です。これまで説明に用いてきた図に、必要な書類をまとめていきます。それでは、順を追って解説していきます。
離婚後の状態
| 戸籍 | 姓 | 夫 | 妻 | 子供 |
| 旧戸籍(実家) | 田中 | |||
| 旧戸籍(実家) | 鈴木 | ア | ||
| 婚姻時 | 田中 | ● | ✖ | A |
| 離婚後戸籍❶ | 田中 | イ | B | |
| 離婚後戸籍❷ | 鈴木 | ウ | C |
まずは、離婚届を提出するところから全ては始まります。離婚届には「婚姻前の氏にもどる者の本籍」という欄があります。
「婚姻前の氏にもどる者の本籍」は、婚姻時の戸籍に入っていた「筆頭者でないもの」(多くの場合は妻)に関わる項目です。この欄で以下の2択に答えを出すことになります。
① 旧姓をつかう (ア、ウのパターン)
この場合は、離婚届を提出するのみです。ここで新しい戸籍の姓を婚姻時のものを使用する場合 (イの場合)には、追加で必要な手続きがありますので、これから説明します。
② 新しい戸籍で婚姻時の姓をつかう(イのパターン)
民法では結婚して姓が変わった者が離婚した時は、原則で旧姓に戻ることが規定されています。そ のためその原則を適用させない手続きが必要なのです。
その手続きを「離婚の際に称していた氏を称する届け」と言います。通常は離婚届と同時に届けるのが一般的です。
しかし離婚時には自分の姓をどうするか迷っている場合には、離婚の日から3ヶ月以内であれば大丈夫です。もし、3ヶ月以内に届出ができなければ、家庭裁判所への申し立てが必要になります。
子供に関する手続き
もしも子供がおり離婚時の戸籍から変更するのであれば、必要な手続きがありますので説明します。必要な手続きは、2つの手続きに分かれています。
子供の氏と戸籍を変更する手続き
子の氏の変更許可申立書
手続き① 子供の氏を変更する ⇩
子供の住所地を管轄する家庭裁判所
⇩
子の氏の変更許可申立書 + 入籍届
手続き② 子供を自分と同じ戸籍に入れる ⇩
子供の本籍地または子供・親権者の住所地の市区町村役場
★子供の氏・戸籍変更の手続きは以下の2つを行う必要があります。
1 子供の氏を変更する手続き
2 子供を自分と同じ戸籍に入れる手続き
1 子供の氏を変更する手続き
子供の氏を変更する手続きは、「子供の氏の変更許可申立書」を子供の住所地を管轄する家庭裁判所に提出するところから始まります。申立が許可されれば「許可審判書」が交付されます。
手続きの必須知識
| 申立人 | ・子供が15歳以上⇒本人 ・子供が15歳未満⇒親権者 |
| 申し立ての場所 | 子供の住所地の家庭裁判所 |
| 必須書類 | 1 申立書 2 子供の戸籍謄本 3 子供が入る予定の親の戸籍謄本 4 収入印紙(800円/人) 5 郵便切手 ※収入印紙と郵便切手は裁判所にて要確認 |
2 子供を自分と同じ戸籍に入れる手続き
「許可審判書」と「入籍届」を、子供の本籍地または子供・親権者の住所地の市区町村役場に提出すればよいです。
手続きの必須知識
| 申立人 | ・子供が15歳以上⇒本人 ・子供が15歳未満⇒親権者 |
| 申し立ての場所 | 子供の本籍地または子供・親権者の住所地の市区町村 |
| 必須書類 | 1 入籍届 2 家庭裁判所の氏の変更許可の審判書謄本 |
★子供の氏を変更するか迷っている場合には、急ぐ必要はありません。子供の氏の変更手続きには、時間的な制限はないからです。子供の意向もあるでしょうから、進学のタイミングや本人の希望する時期などを見計らって変更すると良いでしょう。
離婚時に選択した姓を変更は可能?
これまでは離婚してからの戸籍・姓の変更手続きについて紹介してきました。
しかし、やむを得ない事情がある場合には、離婚時に選択した姓の変更も可能です。姓の変更が認められる場合とは、以下の3点をクリアした時だと言われています。
★姓が社会的に定着される前に申し出た
★やむを得ない事情があり、思いつきではない
★第三者や社会に、弊害が発生することはない
しかし、上記に示した基準は目安であり、明確な基準ではありませんので、ご注意ください。
弊所では、これまでの記事を参考にされて、後悔しない戸籍と姓の選択ができることを祈願します。
弊所では、各種手続きや相続・遺言・年金に関する相談などを行っております。
ご不明な点やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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